孫を高校から連れて帰る時の路側帯への乗揚げだった。
そんなに頑固でもない親父の車の運転について、当時はそれでも悩ましい問題だった。
昨今の免許返納について
なるほど、と納得・共感の記事があったので再掲しておきます。
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190816-00010002-hintpot-life
認知症の父が「免許返納」を頑なに拒否 アラフィフ娘が知った警察での「相談実績」の重要性
8/16(金) 20:21配信 Hint-Pot
前編では、認知症の父の運転に心配を抱き、家族会議の結果、車を処分するまでの経緯を書かせていただきました。しかし、その結果、病状が悪化してしまった父は、免許返納を頑なに拒みました。今回は、そんな父に免許を返納させる一歩を踏み出した私たち家族の道のりをお届けします。認知症患者の免許問題で困っている方はもちろんですが、高齢者を抱え、返納が進まずヤキモキしている方も多いかもしれません。それぞれケースは違うと思いますが、離れて暮らすアラフィフ娘の筆者が感じたこと、経験を記していきたいと思います。
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本人の同意なしで「免許の返納」はできない これが現実
車を処分したものの、ここからがまた一苦労でした。認知症が進み、より一層、車に執着しはじめた父が「新しく車を買う!」「人から借りて乗る!」と言い出したのです。
もちろん、本人は5分もすれば言ったことを忘れてしまうので、真に受けることはないと分かっているのですが、万が一にも、レンタカーを借りてきたり、雑な取引を行う中古車店などで勝手に契約を結んでこられては、たまったものではありません。
そのような過ちが起きないよう、早めに免許を処分することで家族の意見がまとまりました。そして、父が入浴している間に、どうにかして免許証自体を取り上げることには成功しました。
次に、どのようにすれば、父親の免許証を本人に代わり家族が返納できるかを調べました。
私は東京都在住なので、警視庁のwebサイトを確認したのですが、代理人が免許返納の申請を行う場合は、本人直筆の「委任状」が必要なことが記載されています。そこで改めて父に返納してほしいい旨と、私が代理人になるので委任状を書いて欲しい旨を告げると、想像していたとおり「NO」の答えが。
「俺は病気なんかじゃない! 車の運転も問題なくできる!!」
「免許の返納なんかしない! おまえら、勝手に俺をボケ老人扱いするな!」
こうなっては、仕方ありません。警視庁のwebサイトの該当ページに記載されている番号に電話をかけ、担当してくださった方に状況を説明しました。そして、委任状がなくても、免許の返納を可能にする方法はないか、聞いてみたのです。
すると、「”返納”ではなく、”失効”にもちこむことはできる」とのこと。そのためにも1度、「相談実績」を作ってほしい、と言われました。
「相談」から生まれるのは「未来の安全」への可能性
この「相談実績」というのが、実はとても大切なのだと、実際に言われた通り相談に行ってみて実感しました。
電話で担当してくださった方によれば、「返納」は、受け付けたその場で行うことができるけれど、「失効」させるためには、さまざまな調べや手続きが必要となり、早くとも3か月程度、時間がかかってしまうとのこと。つまり、「その間に車に乗ってしまうのでは?」「車を買ってしまうのでは?」という、周囲の不安を払拭することができないのです。
そこでの対策が「相談実績」です。相談することで、警察から父親に対し「家族から相談があったので、一度、運転免許試験場に出向き、認知症のテストを受けてほしい。必要があれば、診断書の提出を行ってほしい」という通知が行われるのだそう。ここで父親が出向かなかった際は確認の電話をかけてくれ、電話で話にならない場合や、電話に出なかった場合は、警察官が直接実家に出向いて父の状態を確認。「運転が難しい状態にあり、これ以上の免許の更新はできないので、返納しなければ失効します」……と、本人に対し勧告してくれるというのです。
もちろん、あくまでも勧告は自主的に免許返納を勧めるもので、失効の時間が短くなるわけではありません。しかし、制服を着用した警察官が家に来たというインパクトのためか、これまで、ある程度の効果が認められてきているといいます。
加えて、こうして相談実績を作ることで、免許を取り上げられた父親が警察署に出向いて再交付しようとしても、受け付けてもらえない可能性が高くなることも教えてもらえました。
そこでさっそく、最寄りの運転免許試験場へと出かけ、相談することにしました(相談の際は予約が必要ですので、必ず事前に電話をし、時間等を決めてください)。担当の方は、父親の状況を丁寧に聞き取ってくれました。しかも……
「今後、お父さんがご家族に対して、免許についてなんだかんだ言いだしたら『警察がすべて悪い! お父さんの免許を取り上げないでほしいと言ったけど、警察の人がダメだって言った!』と、警察を悪者にしてくれて大丈夫ですから」と……そんな驚くような言葉をかけてくれたのです!
「相談」に行って知った 認知症患者の怒りの矛先を変えるアドバイス
担当してくれた警察官によると、男性の場合……とくに、長いこと車に乗る仕事をしてきた場合は、免許を返納・失効した後、家族に対して暴力を振るったり、暴言を吐いたりする例が少なくないとのこと。
しかし「警察が全部悪い!」と伝えることで、敵意の矛先が警察に向き、家族に暴力を振るうことが減るのだそうです。
「毎月のように『俺の免許を返せ!』って言ってくるおじいさんもいるんですよ。でも、ご高齢の方はだいたい、制服を着ている警察官の前にくると、何も言えなくなって、大人しく帰っていくんです。『はいはい、また来月ね!』なんて声をかけることもあるんですけどね」
「僕たちは、短時間相手にすればいいだけだから、全然問題ありません。認知症の患者に毎日のように接するご家族が、一番辛いんですから、僕たちに責任をかぶせてくれていいんです。それで少しでもご家族の気持ちや生活が楽になれば、そのほうがいいでしょう?」
担当の方はそう笑顔で語ってくれました。
その心遣いに思わず泣きそうになるのをこらえ、お礼を伝えて試験場を後にしたのですが、「相談」という形で話を聞いてもらえたことで、私自身も肩にのしかかっていた重石が外れたような気分になったのです。
まだようやく「相談」を行ったところなので、父親から免許を法的に取り上げるまでには、もう少々時間がかかりますが、それでも返納に向けて一歩進むことができたことで、私や家族の気持ちがだいぶ軽くなったように思います。
和栗 恵
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ついでに
認知症運転のチェックリストがあったので、掲載します。
これは私にとっても参考になりました。
明日は「我が身」です。
